「ここが変だよ学校英語」というシリーズ、ほぼ一年ぶりの更新となります。

学校で教えている英語の中には、「それは変でしょう」と思われることがあります。

私(久末)が中学生だった頃にも、学校の先生の説明ではよくわからなくなり、混乱したこともありました。

おそらく、学校の英語教師自身が「英語」という言語を深く理解していないまま授業を行っているというケースもあるのでしょう。

このシリーズでは、そういった「おかしな学校英語」というものを取り上げ、正しくはどのように解釈(あるいは説明)すべきかを分かりやすく解説していこうと思います。

 

というわけで、今日のテーマは「any」です。

これまた学校では不思議な扱いをされている言葉の1つなので注意しましょう。

 

<アメブロの続きはここから>

 

「any」という言葉は、そもそも日本語で「これ」とぴったり合致するような言葉を簡単に見つけることができる言葉ではありません。

「any」と一緒によく登場するのが「some」という言葉です。

中学校では、「someもanyもどちらも『いくつかの』という意味ですが、肯定文ではsomeを使い、疑問文と否定文ではanyを使います」のように説明されることがあります。

しかし、この説明では、「本当の英語の世界」でのsomeとanyを説明しきれていないどころか、英語学習者達に対して「誤った理解」を誘発しかねません。

では、「本当の英語の世界」では、「some」と「any」はどのような意味を持っているのでしょうか。

 

まず、「some」という言葉から見てみましょう。

「some」というのは、乱暴に言えば「漠然とした存在」を表す言葉です。

まあ、単に「存在」というよりも「漠然とした」という言葉をつけるとなお良い、という程度で、簡単に言えば「some」というのは「存在」を表す言葉ということです。

もう少しきちんと「漠然とした」という部分を説明すると、「全体を眺めながら、その中の一部分を漠然と指している」という意味です。

まとめると、「some」とは、「全体を眺めながら、その一部分を指したものが、漠然と存在している様子」を表す時に使われる言葉なのです。

「全体の中の一部」や「漠然とした存在」という言葉と一緒に理解すれば、「some」の用法はさして難しくはありません。

日本語に訳すならば、「いくつかの(数えられるモノ)」や「いくらかの(数えられないモノ)」という意味になります。

例1: I have some pencils.
「私は何本かの鉛筆を持っている。」(漠然とした存在)

例2: I bought some sugar.
「私はいくらかの砂糖を買った。」(漠然とした存在)

 

あるいは、単数形の名詞に対して使われる時には、「なんらかの」という日本語に訳されます。

例3: We need to find some other way to solve the problem.
「私たちはその問題を解決するための何らかの別の方法を見つけなくてはならない。」(漠然とした存在)

 

さらに、「some 〜 and others 〜」という形でよく見かけるように「〜のような人もいれば、〜のような人もいる」という日本語になる表現でさえ、「some」は「世の中全体の中の、漠然とした一部」を表すということが分かります。

例4: Some will just sit back and others won’t.
「ただ傍観するだけの人もいれば、そうでない人もいる。」(全体の一部)
(世の中の人全体を眺めた時に、「some(一部)」はただ傍観するだけで、「others(さらにまた別の一部)」は傍観しない、という意味。)

 

また、「some」は「全体の一部」を表すわけですから、「全体の中の一部分だけを否定したい」という場合には、「否定文」においても「some」が使われることがあるのです。

例5: We couldn’t open some of the files.
「私たちはそのファイルのいくつかを開くことができなかった。」(全体の一部)
(「全体の一部」のみを否定した表現。一部のみ開くことができなかったが、開くことができたファイルもあったという意味。)

 

このように、「some」という言葉が、「全体の中の一部」を指したり、あるいは「漠然とした存在」を表したりするというように理解しておけば、「any」との違いもきちんと理解することができます。

このまま続けて「any」の説明に行きたいところですが、少し長くなったのでいったん区切ります。

続きはまた次回をお楽しみに!

 

<続く>

 


 

本校では、「学校英語の説明」で分からなくなった人でもきちんと理解できるような「理に適った説明」を心懸けております。

将来、英語を使って仕事をしたり、世界に飛び出そうと思っている学生の皆さん、あるいは保護者の皆さん。

今からでも、日本にいながらでも、「本物の世界の英語」を正しく理解し、身につけることは可能です。

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