日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。

それをご紹介していくシリーズの「014」番です。

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014:「トンネル」

山を突き抜け、海の底を通り抜け、目的地への距離を縮めてくれる「トンネル」。

これを日本語のまま「トンネル」と発音しても、おそらく通じないでしょう。

これは英語では「tunnel」というスペルで書かれます。

発音記号では、[tʌnl]となります。

最初の[tʌ]の部分は、カタカナで言えば「タ」となりますが、少し喉がつっかかるような感じでありながら、それでもしっかり「タ」と発音します。

そして問題はこの後の[nl]の部分です。

これは、以前もご紹介した[t], [d], [l], [n]のうち、[n]と[l]が連続している音ですね。
(過去の記事はこちら→[t][d][l][n]の連続音

この連続音について説明する前に、[n]の音と[l]の音について、それぞれ個別に説明します。

[n]の音に関しては、過去の記事で書きましたので、そちらをご参照ください。
(記事はこちら→「n」の発音

次に[l]の音ですが、これは、基本的に [n]と似ています。

[l]の発音では、下の写真の「丸い点線」の辺り、あるいはもう少し天井に近い辺りに「舌先」をつけます。

舌先がどの部分に触れるかは、実はネイティブでも個人差があります。

人によっては「前歯の裏」に触れると主張する人もいます。

あるいは、日本語の「ラ行」で触れるところと同じ部分に触れる、と考える人もいます。

舌先をどこにつけるか、というのは、実はあまり重要ではありません。

とにかく、上の写真の「丸い点線のあたり」につけておくことが重要なのです。

さて、舌先を上につけておきながらも、同時に「舌の両サイド」の部分は上の奥歯の内側に「触れない」ように注意してください。

あくまで「舌先だけ」が、上あごの上の部分に触れているような感じです。

そして、「のど」は締め付けず、むしろ「開く」ようにしてください。

その状態を維持したまま、のどから「ウー」と声を鳴らしてください。

この時、「こもった声」が出たとしたら、それは「のどが締め付けられている」ということになります。

正しくやれば、舌先をつけずに普通に「ウー」という時の音にとても近い音となります。

[l]の発音は、この後ろに「母音(ア、イ、ウ、エ、オに相当する音)」がくっついている場合には、「舌先をはずす」時に発生する「変化の音」が重要となります。

しかし、[l]の後ろに母音が続かない場合には、のどから「ウー」と鳴らす音のみとなります。

今回の「tunnel」の場合は、最後の発音が[n]と[l]の連続音なのですが、[n]と[l]は同じようなところに「舌先」をつけるという点で共通しています。

発音記号を中途半端に読んでしまうと、[tʌnl]を「タヌル」と発音してしまいそうですが、そうではありません。

[n]は「鼻にかかった音」と「喉を鳴らす音」の両方を使いますが、[l]は「喉を鳴らす音のみ」です。

[n]も[l]も、どちらも舌先を上につけたまま「ウー」と鳴らすような音となりますので、[n]の時に鼻にかかった音を出し、[l]に入った時に鼻からの音を外します。

すると、[tʌnl]という発音記号を、敢えてカタカナで表記すると、「タヌー」のようになります。

最後の[l]の発音は、時には「オー」にも聞こえることがありますから、場合によっては「タノー」のような感じに聞こえることもあります。

しかし、カタカナで「タヌー」や「タノー」と言えば良いかと言えば、それも違います。

あくまでも、発音記号では[tʌnl]なので、[n]と[l]をそれぞれ発音しなくてはならないのです。

[t], [d], [l], [n]のどれかが連続した音というのは、今回の「tunnel」だけでなく、日本人にはとても厄介な音と言えます。

しかし、パターンが見えてくれば、誰かがお手本として発音してくれなくても、正しい音を出せるようになります。

自分で出せる(アウトプットができる)ようになると、今度はその音を聞いた時(インプットした時)にしっかり認識できるようになります。

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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!

※ここでご紹介した発音は、デュープラー英語学院で毎月開催される「発音教室」で練習します。興味のある方はこちらをご確認下さい。→「発音教室&英会話」開催情報


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