<前回の続き>

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「身近な人」とうまくいかなければ、当然、多かれ少なかれ、精神へのダメージは起こります。

「身近な人とうまいくいかない」という場合、

 ■A. 相手が自分を否定的に見ている
 ■B. 自分が相手を否定的に見ている

というケースに分かれるように思います。

どちらのケースであっても、自分は「ストレス」にさらされることになるでしょう。

人に否定的に見られれば当然ストレスがかかりますが、人を否定的に見ている時でも、人はストレスを感じるものです。

そして、多少なりともストレスを感じていることを自覚しているならば、その途端に「自分は被害者」という意識が生まれてしまうかもしれません。

上記の「A」と「B」どちらのケースであっても、カンタンにはストレスを軽減させることはできません。

仮に「A」のケースだった場合。

自分は何も悪いことをしていないのに(あるいはそういう自覚はないのに)、なぜだか、「あの人」から否定的な目で見られてしまう。

何が気に入らないんだか、自分が言うこと、すること、全てに対して否定してくる。

今日も、こっちは普通に話しかけているのに、なんだか妙に腹を立てているんだよなぁ。

全然意味がわからない。

本当は、あの人とは距離を置きたいのに、仕事上(あるいは人間関係のつながり上)どうしてもそういうわけにはいかない。

あ~、あの人に会うのが苦痛だ。

どこか遠くに行ってくれないかな。

そうでなければ、自分の方がどこか遠くに行ってしまいたいなぁ…

自分を否定的に見てくるのは、あの人が勝手にそうしているだけであって、自分には非はない。

つまり、自分は「被害者」であって、相手は「加害者」だ。

ふむ。

こんな経験、程度の差はあれ、多くの人が実際に味わったことがあるのではないでしょうか?

では逆に「B」のケースはどうでしょう。

あいつ、どういう訳か、オレの考えていることと「逆」のことばっかり言うし、オレなら絶対にやらないようなことを平気でする。

そのことで、オレがこんなに迷惑を被(こうむ)っているというのに。

しかも、オレが迷惑しているということに、あいつは全く気づいていない。

迷惑だからやめてくれ、って何度も言っているのに!

こっちの言うことをちっとも聞きやしない。

まったく、本当に頭に来る!

ホント、どこかに行ってくれないかな、あいつ。

もう、あいつに会うのイヤだよ。

あいつのことを考えるだけでストレスだ。

つまり、自分は「被害者」であって、相手は「加害者」だ。

ふむ。

どちらも「自分が被害者で、相手が加害者だ」と思ってしまっているようです。

そして、どうにかして「相手を変えたい」と願っているとも言えます。

だけど、考えてみれば、「相手を変える」などということは、本当は誰にだってできるはずもありません。

人が変わるのは「自分で変わろう」とした時だけです。

よく、「あの人が自分を変えてくれた」などと言う人がいますが、それも、「あの人の影響を受けて、自分で変わった」というのが本当のところではないでしょうか。

「環境」も同じです。

環境が人を変える、などということはありません。

環境が変わったことに後押しされて、結局は「自分」で変わったのです。

初めから変わろうとしない人には、他人や環境がいくら影響を及ぼそうとしたしたところでビクともしません。

変わろうとする気持ちを持った人が、他人や環境を「利用」して、自分から変わるのです。

ということは、こちらから見て「加害者」だと思っている相手を変えようとしても、相手に「変わろう」という意志がなければビクともしないということです。

そして、「変わらない相手」に対して「変わって欲しい」と願っているだけでは、自分の中に「イライラ」がたまっていくだけです。

だから、「自分」の方の考え方を変えなくてはなりません。

「自分が被害者だ」と思っていたとしたなら、逆に「自分の方が加害者なのでは?」と考えてみましょう。

あるいは、「相手は加害者だ」と思っていたとしたなら、逆に「相手は被害者かもしれない」と疑ってみましょう。

ものの見方をすっかり逆にしてみると、相手への接し方も変わります。

自分の方が変わって、相手への接し方を変えてみると、たとえ相手が変わらなかったとしても、「自分と相手の関係性」は変わります。

自分の方が変わったのだから、「関係性」も変わるのです。

そうすると、その「関係性」の変化につられて、時に、「相手も変わる」ということが起こります。

それは、本当は相手も「変わりたい」と願っていたということです。

「被害者になる」ことも、「加害者になる」ことも、どちらも普通は心地良いことではありません。

誰だって、被害者にもなりたくないし、加害者にもなりたくありません。

もしも自分が、自分と相手との関係性が「悪い」と感じていたならば、きっと相手だって同じように思っているはずです。

自分の方が加害者だったのではないかと自己を見つめ直し、これまでの自分の言動を反省してみて、そして、「謝罪」の気持ちで相手に接してみる。

あるいは、「感謝」の気持ちで相手に接してみる。

自分のそういう変化が相手が伝わったとき、相手の方に「関係性を良くしたい」という思いがあるのならば、きっと相手も自分から変わってくれます。

もちろんこれは「言うは易く行うは難し」というヤツで、すぐに効果があるとは言い切れません。

それでも「相手が加害者だから、相手の方が変わるべきだ」ということを頑固に自分の中に持っているよりは、はるかにストレス軽減につながる可能性は高いです。

「自分は被害者で、相手が加害者だ」という見方を、「相手が被害者で、自分が加害者だ」と見直してみる。

決して楽なことではありませんが、やってみて損はないと思いますよ。

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