「話し上手」になるにはどうしたら良いかを考えていくこのコーナー。

前回までは、「見えないところを見る力」について書きました。
(過去記事の一覧はこちらからどうぞ。)

人と話をしていて、「こちらが見ているもの」が常に相手に見えている訳ではありませんし、同様に、「相手が見ているもの」が常にこちらに見えている訳ではありませんね。

「話し上手」になるための基本的な大前提として、「こちらから見えないところを見る努力」というものが必要になる、そういうお話を前回までしてきました。

さて、今回はもう少し「実践的」なことについて考えていこうと思います。

「話し上手」と思われる人には、「1つの文が短い」という共通点が見られるようです。

口頭でも文書でも、受け手側が「分かり易い」と感じるのは、たいてい「1つの文が短い」という場合です。

逆に、「長~い文」というのは、聞き手や読み手に「理解するための努力」を要求してしまいます。

同じ内容でも、「1つの長い文」で表現するより、途中の区切れの良いところでいったん切って「複数の短い文」にした方が遥かに分かり易い場合があります。

例えば、次の文を読んでみて下さい。

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前置詞とは、名詞の前に置かれて「句」をつくる言葉で、その句が「名詞」を修飾している場合は「形容詞句」となり、また「動詞」か「形容詞」か「副詞」を修飾してる場合は「副詞句」となるが、それぞれの場合において前置詞そのものを日本語に訳す際には表現の仕方が異なるので注意が必要である。
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いかがでしょうか?

このことをよく理解している私の教室の生徒達ですら、この文章を読んで「ん?」と思ってしまうことでしょう。

この文を書いた人にとっては理路整然としているのかもしれませんが、それを1つの長い文にしてしまったため、読み手にとってはとても「複雑」な文となってしまいました。

そのため、読み手は何度もこの文を読み返す必要が出てきてしまいます。

そこで、内容は変えないで、この文を短く区切ってみます。

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前置詞とは、名詞の前に置かれて「句」をつくる言葉のことである。
前置詞がつくった句が「名詞」を修飾していれば、それは「形容詞句」となる。
また、前置詞がつくった句が「動詞」か「形容詞」か「副詞」を修飾していれば、それは「副詞句」となる。
前置詞がつくった句が、「形容詞句」となるか「副詞句」となるかによって、前置詞そのものを日本語へ訳す際の表現の仕方が異なる。
つまり、前置詞を日本語に訳す際には、以上の点に注意が必要である。
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いかがでしょう?(まだわかんないって?)

まあ、内容はそもそも「英文法」の話なので、とても難しいものなんです(笑)

それでも、短く区切られた文の方が、1つ1つを読みながら(あるいは口頭ならば聞きながら)ゆっくりと理解していくことができるはずです。

特に、口頭で「長い文」にしてしまうと、聞き手は「考える時間」が足りず、「理解」するところまで追いつかなくなってしまう可能性もあります。

逆に、口頭で「短い文」で表現してもらえると、聞き手は「1つずつ理解する」ということをしていけば良いので、割と簡単に分かっていくことができます。

さらに「短い文」にすることで、話し手は、聞き手に対して「まずここまでオーケー?」という確認をすることができます。

前回までにご紹介した「見えないところを見る力」を発揮し、話を聞いている相手の表情などから「ここまでわかったか?」ということを読み取るのです。

「短い文」にして話していくと、1つ1つの文でその確認をすることが容易となりますし、また仮に相手の理解が追いつかなくなった際、それが「どの時点なのか?」もすぐにわかります。

このことは、実は「英語を話す」という場合にも有効な手段です。

次回は、「英語」での表現方法も交え、どのような観点で「短い文」をつくっていけば良いかについてご紹介します。

どうぞお楽しみに!

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